ITADとは

ITAD
Information Technology Asset Dispositionの略称
IT=情報関連機器 Asset=資産 Disposition=廃棄・処分・除却

「ITAD」とはIT機器のライフサイクルの最終工程に関わる事業者または業界の総称です。
近年、PCやサーバー、スマホなどIT機器の出荷数が増加する中で最終処分される機器も増加しています。増加するIT機器の最終処分には以下のような課題があり、より安全・安心な事業展開が社会的に求められています。
日本ITAD協会(JITAD)は日本における健全なITAD業界の発展を目指しています。

① IT機器に含まれる様々な情報の適正な抹消措置(データ消去・破壊など)
② リユース、リファービッシュなどによる適正な再流通の仕組みづくり
③ リサイクルによる再資源化、適正な廃棄(E-Waist)



ITAD事業概要

  • ◆データ抹消(ソフトウェアによるデータ消去、物理破壊、焼却、溶融など)

    情報機器に残存しているデータの抹消には様々な方法がありますが、適正な廃棄にあたりデータ抹消措置について以下のガイドラインなどに基づき実施されることが求められています。

    ・NIST SP-800-88
    ガイドラインを見る 翻訳サイトを見る

    ・総務省ガイドライン
    ガイドラインを見る

    また、ハードディスクドライブやSSDなどの記憶装置の種類によっても抹消措置の方法が異なるため、専門的なデータ抹消措置が必要となってきていることに加えてオンサイトによるデータ抹消や消去証明の提示などが求められています。

    日本ITAD協会(JITAD)のITAD会員は、ガイドラインに基づく適正な処理を実施するために、インフラの整備などや会員の研修などを実施しています。

  • ◆安全・安心なリユース品、リファービッシュ品としての再流通

    サーバーやPC、スマホなど、適正なデータ消去を経たうえでITAD事業者により再流通されています。
    情報機器の再利用は環境にやさしいとされています。

    新品のPCは約300㎏前後のCO2を排出します(※各種LCA測定資料に基づく)リユース品に掛かるCO2は20~40㎏なので、260~280㎏台のCO2削減効果があります。

    ITAD事業者は積極的にリユースに取り組んでいます。
    機能検査などを実施し、マイクロソフトのMAR事業などにより正規OSをインストールするなど安全・安心のリユース品をご提供しています。
    日本ITAD協会(JITAD)では会員のリユース品流通台数に基づくCO2削減量などの測定開示を実施しています。

  • ◆循環型社会形成推進基本法(各種リサイクル法)

    廃棄物処理法に代表される各種リサイクル法を順守した適正な廃棄が社会的に求められています。
    E-Waistや廃プラなど、環境面でも不法投棄などの問題も顕在化してきていることに加えて、IT機器に含まれるマテリアルにも資源としての回収が求められています。

    IT機器に含まれるマテリアル(素材)
     ・ 鉄&非鉄 鉄・銅・亜鉛・鉛・アルミ・ニッケル等
     ・ 貴金属  金・銀・プラチナ等
     ・ 希少金属 リチウム・コバルト・チタン・ネオジウム等

    日本ITAD協会(JITAD)では、各種リサイクル法や海外への廃棄物輸出に関するバーゼル法等を順守し、適正な廃棄を実施するための情報交換や勉強会などを各会員各社で実施しています。

今後のITAD事業

  • ITAD事業に関連する事業者の広がり

    ・情報機器のメーカー ・リース、レンタル事業者 ・運送事業者
    ・保守事業者 ・中古情報機器リユース事業者
    ・再資源リサイクル事業者 ・修理事業者 ・ソフトウェア事業者(データ消去、資産管理など)
    ・輸出事業者 ・周辺機器メーカー(データ破壊装置など) ・データセンター事業者
    ・Sier ・データ抹消事業者

    などなど関連する多くの事業者がITAD事業者としての専門的な対応が求められています。

    各事業者それぞれのITAD事業を展開しながら、他の専門分野のITAD事業者と連携して適正な処分を実施する仕組みが構築されつつあります。今後日本ITAD協会(JITAD)では、海外で実施されているITADサミットなどを参考に、日本での情報交換会などを開催したいと考えています。

    ・ITADサミット
    サイトを見る (外部サイト)




ITAD業界とSDGs(Sustainable Development Goals)

SDGs(Sustainable Development Goals)は、持続可能な開発目標(通称:グローバル・ゴールズ)として2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。
先進国を含む全ての国に適用され2030年までを期限とする17の目標と169のターゲットから構成されています。
貧困や飢餓や暴力を撲滅し、地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展させ、人権が守られている世界を実現することを目指す普遍的な行動を呼びかけていて、キーワードは「Leave No One Behind(誰一人取り残さない)」です。

当協会は、このような社会のニーズ・要請に応えるために、ITAD業界が密接に関係する3つの目標を達成する為、会員企業のCSRに沿った取り組みを通して課題の解決に貢献します。

また、リユース・リサイクルを推進することは、ESG(環境Environment、社会Social、ガバナンスGovernance)の観点からもCO2の削減やサーキュラーエコノミー(循環型経済)に寄与し、ITAD業界全体でサステナブル(Sustainable)な社会が実現できるように推進していきます。

3つの目標

  • ターゲット4.5

    2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障碍者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。

    取り組み:リユースパソコンの寄付(小学校、他)

  • ターゲット8.5

    2030年までに、若者や障碍者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。

    取り組み:障害者雇用、高齢者雇用など

  • ターゲット12.5

    2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

    取り組み:リユース、リサイクルの推進

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